後鼻漏の原因と症状
5痰について
後鼻漏は鼻水が喉の方に流れてきて、鼻水がへばりつきます。したがって喉にからみついている異物は鼻水であり、それが違和感や圧迫感となっています。
これを痰(喀痰:かくたん)と思う方も多いと思います。喉にへばりついたものを口から出すという行為は同じですし、でてきたものも鼻水と似たようなもの(粘り気のあるドロッとしたもの)ですので、あながち痰と捉えてしまうのもわかりますが、後鼻漏で喉にへばりついているのは鼻水であり、痰とは似ていて違うものです。
痰とは?
痰とは、鼻から肺までの間において①異物が大量に入る、②異物を吐き出す機能が低下する、③膿などが過剰に分泌する、といったことが起きたときに気道分泌液が過剰となり、それが痰となります。簡単に説明すると、体内にできた異物を分泌液が包み込み、それが痰となって体外に吐き出されるということです。
タバコと痰
喫煙で喉がすっきりせず痰が出るのは上記で説明したような関係であるためです。異物を吐き出そうとして痰が出るという仕組みです。実は厄介に思われる痰も出ているうちは健康状態を保とうと体が頑張っている証拠ともいえます。もしも痰が出なくなれば体に悪いものがいつまでも体内に残っているということになります。喫煙者が痰に悩んでいるのなら、まずは禁煙してみることをお勧め致します。
痰の成分
痰には、気道上皮液(※)に鼻咽頭や咽喉頭物質、唾液、微生物、細胞、外来物質などさまざまな成分が含まれています。成分は水がベースとなり、蛋白、脂質、炭水化物、電解質など含まれています。このように実は複雑な内容で痰は構成されています。粘弾性、粘着性はもちろんのこと、蛋白、脂質、炭水化物といった臭いニオイのもとになりそうなものも含まれています。痰が不愉快な気持ちになるのも頷ける構成成分です。
気道上皮液(※)
健康な気道において気道上皮液は1日10~100mlは分泌します。喉には様々な物質が通ります。それらをスムーズに通すためにも気道上皮液がある程度出ていなくてはいけません。
後鼻漏と痰の関係
痰は気管から出る気道上皮液に不純物が混ざることでできるものです。しかし後鼻漏は鼻水が喉に流れてへばりつくものなので痰とは異なります。痰がどのようにできるのか理解しておくことで、自分の症状がよりわかりやすくなるかと思います。