後鼻漏の原因と症状
4後鼻漏と咳の関係
後鼻漏の症状のひとつに咳が長期間(数ヶ月以上)止まらないことがあります。咳が続くようであれば後鼻漏の可能性があるもかもしれません。ここでは後鼻漏と咳の関係について説明していきたいと思います。
咳が出る仕組みについて
後鼻漏になるとなぜ咳がでるのでしょうか?
まず原因のひとつとしては、「後鼻漏に含まれている様々な病因物質が咽喉頭や気管に落ちることで炎症を起こし咳がでる」ということ、もうひとつは「粘り気の強い後鼻漏が気道粘膜にある咳受容体を直接刺激して咳がでる」ということです。
後鼻漏になると、間接的な炎症と直接的な刺激の双方が原因となり咳が出る仕組みになっています。前者の炎症については薬である程度抑えることが出来ますが、後者の刺激については鼻水そのものを喉から引き剥がす必要があります。
咳の原因の見極めについて
長期間続く咳が後鼻漏によるものか、あるいは風邪やアレルギー性鼻炎やその他の症状によるものか、咳が出る原因が後鼻漏以外にも多いため自己診断では難しいところもあると思います。
そこで専門家や医師に相談が必要となるのですが、重要となるのが問診です。
問診で後鼻漏と咳について訴える場合は、①自覚症状、②合併症、③服薬状況、④過去の鼻手術の有無など、症状の説明には擬音語や擬態語なども駆使し、どのような違和感や不快感があるかをしっかりと伝えましょう。
その他の診断には「鼻内・侯咽頭所見」「画像診断所見」「アレルギー検査などの臨床検査」「心理テスト」があります。
後鼻漏の診断は目視では発症がわかりません(口の方からは鼻の奥側にある患部が確認出来たいため)ので、鼻咽腔内視鏡検査といった精密検査が必要です。
咳の原因が後鼻漏ではない場合
後鼻漏ではなかったが咳が止まらない場合は、①風邪の後の咽頭粘膜の発赤所見と粘液付着、②咽頭粘膜の乾燥・萎縮所見と分泌液の停留・念域付着が原因の一例としてあげられます。②については高齢者に多くみられます。