後鼻漏の原因と症状
7副鼻腔炎(蓄膿症)・アレルギー性鼻炎
副鼻腔炎(蓄膿症)やアレルギー性鼻炎などの鼻の病気から後鼻漏になる方も少なくありません。ここでは副鼻腔炎とアレルギー性鼻炎について簡単に説明いたします。
副鼻腔とはどこのこと?
普段では聞き慣れない「副鼻腔」という言葉。そもそも副鼻腔とは鼻のどの部分をさすのでしょうか。普段私たちが「鼻の穴」と読んでいますが「鼻腔」とも呼びます。この鼻腔(鼻の穴)の周囲にある左右に各4つ、合計8つの骨で囲まれた穴が副鼻腔です。左右一組でそれぞれ名前があり、篩骨洞(しこつどう)、蝶形骨洞(ちょうけいこつどう)、上顎洞(じょうがくどう)、前頭洞(ぜんとうどう)と呼びます。
副鼻腔は鼻腔(鼻の穴)と繋がっています。副鼻腔は粘膜で覆われ、小さく細い毛が生えています。この毛を綿毛と呼び、異物を副鼻腔の外へだす綿毛運動を行います。
この副鼻腔に炎症があることを副鼻腔炎(蓄膿症)と呼びます。
慢性副鼻腔炎(蓄膿症)について
「副鼻腔に生じた細菌の炎症により、膿性貯留液や粘膜病変が生じる疾患」です。なお発症の順番として「前篩骨洞、上顎洞、前頭洞(前頭副鼻腔)の開口部と固有鼻腔との交通路をostiomeatal complex(OMC)」と呼び、「前頭副鼻腔の炎症は固有副鼻腔の炎症ではなく、OMCの病変により起こされることが原因の可能性」もあります。
つまり、長期間続く副鼻腔炎(蓄膿症)は副鼻腔の症状だけではなく、副鼻腔と繋がっている部分にもなにかしらの症状が考えられると言うことです。それらの部分についても治療の対象とすることで快方が期待できるかも知れません。
アレルギー性鼻炎と後鼻漏
以前よりアレルギー性鼻炎の方が後鼻漏になった場合、アレルギー性鼻炎が落ち着く季節に近づくほど後鼻漏の症状が顕著にあらわれることがあります。これは矛盾しているようにみえますが下記のような理由があります。
花粉症シーズンのアレルギー性鼻炎
3~7月、スギ・ヒノキ花粉などいろいろな花粉が飛ぶ期間です。しかし後鼻漏患者は、花粉症が落ち着く季節に近づくほど咳がとまらなくなるでしょう。
咳がひどくなる理由には、後鼻漏による症状が顕著になるためです。花粉症(アレルギー性鼻炎)によって過剰分泌した鼻水がシーズン中は鼻の穴を通って前の方に流れていたものが、後鼻汁として喉の方に流れてくるようになり鼻水が溜まって咳が出ます。
花粉症が治まっても鼻炎が続いており、後鼻漏によって鼻水が喉に垂れ落ちることで咳を誘発してしまいます。